RaspberryPiって何ができるの?

安価なシングルボードコンピュータのRaspberryPi(ラズベリーパイ)は、IoT(Internet Of Things)・機械学習・サーバの用途を主としてビジネスから趣味まで幅広く利用されます。日本でも優れた製品として認められ、小学校で必修化された「プログラミング教育」の教材を提供するソニー・グローバルエデュケーションは、RaspberryPiを教育コンテンツ・ソフトウェアとして2021年に提供することを発表しました。ここまで人気が出たRaspberryPiの理由を紹介します。

RaspberryPiって何ができるの?

人気となった大きな背景は世界中がIoTに注目

IoTは、センサ(温度やカメラ等)を用いてモノの情報をインターネットを介してサーバ上で収集や分析したり、逆にサーバからインターネットを介して家電の制御(エアコンの温度やテレビの電源など)する仕組みのことです。IoTは、ドイツのIndustrie 4.0をはじめとして、アメリカのIndustrial Internet、そして日本のConnected Industriesでは、IoTが産業を革新する新しいビジネスの分野として認めており、RaspberryPiの他にもNVIDIAや特に製造産業向けにKEYENCE・OMRONなど有名企業が参入しております。

市場全体が盛り上がっている状況であることが人気の大きな背景にあります。

できることの幅が広い

パソコンと同等の機能を持ちつつ、センサやモータなどの電子部品の制御ができます。電子部品の制御可能とした理由はGPIO(General-purpose input/output)という直接的に電気をやり取りする制御部品が搭載されているからです。通常、電子部品はUSBなどの接続方法ではなく、単線の電線により、電圧を印加して制御します。簡単なイメージですが、小学校の理科の実験のような乾電池とスイッチを使って豆電球を照らすようなものです。もちろんパソコンでも電気制御することはできますが、専用ソフトやパソコン用に対応したデバイス(電子部品ユニットといったところでしょうか)等が必要なりますので必然的にコストが上がり、対応した製品も限られてきます。

RaspberryPiは安価な電子部品を少ないコマンドで制御できます。

IoT(Internet Of Things)

前述しましたが、IoTは大きく2つの役割があります。

①センサの情報をインターネットを介して収集や分析

できることの具体例をいくつか挙げます。

  • (空気中や水中の)温度計測
  • 定点カメラ、防犯カメラ
  • 人体感知による入退室監視

温度計測や人体感知は100円程度の安価なデバイスがあれば実現可能です。カメラは3000円と電子部品としては高価ですが5Mピクセルの画質があり、値段に対しては高性能です。

②サーバからインターネットを介してデバイス制御

できることの具体例をいくつか挙げます。

  • 家電の電源制御
  • リモコンの代用としてエアコン温度、テレビのチャンネル制御
  • モータ駆動によるラジコンやロボット制御

デバイス制御はセンサの情報と組み合わせることが多いです。例えば寝室のテレビをつけたまま寝ることが問題である家庭があるとします。まずは、テレビの電源を自動でON/OFFしたい。それはどんなときでしょうか?もちろんタイマーということも考えられますが、よりリアルタイムだと人体感知やカメラによる人の目線管理など、人の行動情報を受け取るような仕組みが考えられます。

このようにセンサの情報とセットでよく使用します。

機械学習

RaspberryPiには複数の発売モデルがあり、メモリ等の性能を絞ったより最安価モデルから高性能なモデルまであります。

特に高性能モデルでは機械学習に使用されることがあります。その多くの理由はエッジコンピューティングです。エッジコンピューティングとは末端のデバイスに解析・分析・処理を任せることです。このような仕組みにすることで末端のデバイスを管理するサーバの負担軽減することができます。電子部品の制御がある場合はインターネットを介さないのでセンサの情報からリアルタイムに命令を出すことができます。人でいうと脊髄反射と条件反射のような違いです。

圧倒的に安価

安価モデルで3000円程度、高機能なモデルでも10000円程度です。リンクはAmazonですが代理店では更に低価格で販売しております。ラズパイのマイコン版も発売されており、値段は1000円程度です。

安価モデル RaspberryPi Zero

桜

高機能モデル RaspberryPi 4 8GB

マイコン版 RaspberryPi Pico

桜

優れた拡張性

HATと呼ばれるRaspberryPiの機能を拡張できるサードパーティ製の部品が多数存在します。主な目的は標準では付属していない機能の追加(GPS受信)と複雑な電気設計の簡易化(ロボット簡単に接続)があります。HATを使うことにより高機能化や省配線が見込めます。